ノギスの校正周期を一定にしたほうが良い訳

変化させると色々な不具合が起こりかねない

今年はあまり利用していないのでノギスの校正周期を延ばしたい、逆に頻繁に利用したので短くしたい等と考えていませんでしょうか。結論からいうと、そのような事はあまりおすすめ出来ません。特に、校正周期を以前のものより延ばしてしまうと、過去に遡って精度が保証出来ないという大きな問題が生じてきます。例えば、1年のサイクルだったものを2年にすると、検査をして適正な精度出なかった場合、差の1年間の精度の保証はされなくなります。それどころか、前回測定から本来のサイクルの期間中の立証が出来なくなる可能性が生じる等、様々な不具合が出てきます。その期間にノギスを使っていた場合、正しくない精度のまま製品加工をしてしまっている可能性も出てくるのです。また、周期を短くするのもコストの問題や今までのサイクルに慣れてしまい、依頼を出す事を忘れる可能性がある等の理由でおすすめ出来ません。

実際に延長させる事は可能なのか

ただ、諸事情で校正周期を延長させたいという場合もあるかと思います。延長しながら、対外的なノギス利用についての信頼性を保つ事は出来るのでしょうか。先述の通り、延長した期間中の保証が得られないため、社内で独自のルールを策定し、精度が保たれているという事を証明しなければなりません。しかし、現実にはこうした検査を専門に行っていない限り、第三者を納得させる事はほぼ不可能です。専門の業者で検査を行わないという事は、そうした業者よりも厳しい基準を策定しなければなりません。それは設備面や施設面等で実現出来る所は少ないでしょう。延長をする事は現実的に不可能なので、定期的な検査を心がけましょう。

適切なサイクルを慎重に検討しよう

そうした延ばす・短縮するという検討をする事が無いように、初めから適切なサイクルを議論に議論を重ねた上で検討する必要があります。それにはまず、一般的なノギスに最適とされるサイクルを知る必要があります。通常は1年程度が適切といわれており、これを基準に考える企業等も多いといいます。ただ、現場での使用頻度や温度等の環境の違いにより適切なサイクルは微妙に変化します。その他、デジタルタイプのものを利用している場合や、ブロックゲージ等の標準器を普段の点検の際に使用している場合等も個別に判断しましょう。その他、ブログ等でこうした情報を書いている所は無いか、専門的な知識を持つ人は周りにいないか等を確認し、様々なケースを参考にするのも大事です。

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